歩道橋の上でガリガリ君のチョコミント味を食べた時、人は何を思うのか
予定のない日の夜。あてもなく街をブラつく。ほんとうはやらなければいけないこともいっぱいあるのだけれど、億劫でなんとなく手につかない。そういう時、人は視野が狭くなっているのかなと思う。やりたいことはないけれど、やらなくてはいけないことはある。悲しき現代人。窮屈なのだ、なんとなく。雲の上の誰かから、ああしろこうしろと、常に指示を出されているような感じ。たまには反発したくなる。目的もなく徘徊したくなることだってある。あえて退屈に揺られて、羅針盤の壊れた遭難者のように、目的地も、未来も見えないまま、フラつきたい夜だってある。
そんな時に見つけたのがこれ。
カロリーは130キロ。
ライス100グラム分ぐらいかな。
まるで夏のような暑さから逃げるために入ったコンビニで、運命的な出会いだった。
歩道橋の上で、環七を走る車を見ながら食べる。うん、美味しい。チョコミント味ってあたりはずれが大きくて、はずれるとまるで歯みがき粉そのものを食べているような感覚にさせられたりもするのだけれど、これはそんなことなかった。
食べていると、少しだけ風が涼しくなったような気がする。気持ちも少しだけ楽になった。色々やらなければいけないこともあるけれど、今はただ、ガリガリ君が美味しければいい。そんな風に思った。