生きづらさを解消したいから小説家になりたいと気付いた男の話
先日、某飲食店のバイトをやめた。
理由はシンプルで、店長との仲がこじれたからだ。自分で言うのもあれだけど、ぼくは面倒くさい性格をしていると思う。
気はかなり長いほうで、怒りやすくはないけれど、偏屈で、あまのじゃくで、心の内で拗ねたりする事も多い。結果、人と揉める。
自分でもなんとかしたいとは思うのだけど、なんともならない。
まぁ……特に飲食店のバイトは向いていないなとは思った。声を出さなきゃだし、テキパキ動く必要があるし。その二つはぼくにとって、特に苦手なスキルである。
昔から得意不得意ははっきりしていて、高校生のときにスポーツで活躍できたりしたこともあったが、それはやっぱり個人種目に限られた。生まれつき、集団行動が苦手な人種だという事なのだと思う。ずっと諦められなかったが、最近やっと、悟れたような気がする。
向いていない世界で頑張るのはしんどい。
しかし社会に接することなく、生きていくことは不可能だ。マズローの五段階欲求説じゃないけれど、人は絶対に所属したくなるし、孤独は辛い。しかし、ぼくの場合、人と接するのも辛いのだ。お金を稼ぐ必要もあるし。
だから作家になりたいのだろう。
基本的には一人で書いて、でも真に一人にはなりえない。ちょうどいい塩梅のほっとかれ具合に違いない。
そんな風に思い、考え、だから書いているのかも。
だとすればぼくの執筆に対するモチベーションは、憧れとかそういうキラキラしか感情とは違う。
もっと原始的な、生存本能に違いない。