【原作】ナラタージュ【感想】
あらすじ
bookmakerより引用
壊れるまでに張りつめた気持ち。そらすこともできない――二十歳の恋
大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密を思い出す。今、最も注目を集めている野間文芸新人賞作家・初の書き下ろし長編
島本理生さんの作品を読むのはこの本が初めてで、映画化されてるからなんとなく手に取ったぐらいの感覚だった。
たぶん、女の人が恋愛に対して普段考えていることって、こういう事なんだろうなと考えさせられる。
泉は葉山先生が好きなのだけど、二人の関係は教師と生徒。しかも葉山にはある秘密が会って、、、というストーリー。
たぶん二人は出会ったタイミングが悪かったのだろう。悪かったからこそ惹かれあったともいえる。そのタイミングでなければ、ただすれ違うだけの他人でしかなかったかもしれないのだから。
一人一人のキャラクターにリアリティがあって、ちょっとした行動であったり、考えていることに、いちいち心を締め付けられる。
ネタバレになってしまうけど、小野くんとあう男の子がでてくる。大学生で、いいやつで、泉に好意をもっている。
一緒にいてくれるだけでいい、幸せだから。
と、彼は言った。
そんな小野くんに対して泉が言った言葉。そんなこと言われたら反則だよって、ぼくは思った。たぶんそれは、恋愛ではなく、愛なのだろう。
たぶん人によって、この本対する感想は変わってくる。感想というか、受け取り方。女性なら泉に感情移入するだろうし、男性なら葉山か小野くんか。
甘いだけでは終わらない。
現実の中にある、確かな理想。
理想の全ては叶わない。
この本は、そういう小説ではないからだ。
でもラストシーンを読んで、思った。
たぶん本当に叶えたい、叶ってほしかった泉の願いは、叶っていたのだろうと。