上京してから

本と映画と漫画と人

「キミって、今まで一回もお土産買ってきたことないよね」「・・・・・・え?」

f:id:karatatsutan:20170617153058j:plain



ある日、バイト先の飲み会で、ぼくは店長からあることを言われた。


程よく酔っていて、気持ちよくなっていたぼくを、店長はある一言で現実へと引きずり戻したのだ。

 

 

「今までいろんな子たちを見てきたけどさー……ここまで一回もお土産を買ってこな  かったのは、○○くんが初めてだよ」

 ・・・・・・え?

 

 

「どういう意味ですか?」

「どういう意味も何も、そのまんまだよ。他の子はどっか行ったらお土産を絶対に買ってくるのに、○○くんだけは一度も買ってきたことないよね?」

そう言われてぼくは記憶を遡らせてみるが、記憶力に乏しいぼくでは一週間前のことですら禄に思い出すことが出来なかった。もしかしたらアルコールのせいもあったのかもしれない。ただ単純に頭が悪かっただけかもしれないが。


そのまま何事もなかったかのように飲み会は進行し、終わりを迎えたわけなのだけれど、みんな楽しそうな笑顔の中、ぼくだけが笑っていなかった。

 

別に不満不平があったわけではない。ただ反省していただけだ。

昔からそうだ。ぼくは異常なまでに、他人に対して気が利かない。

母親が髪をばっさり切って来たことに三週間気付かなくて泣かれた記憶もある。

そう、母親だけでなく、ぼくは他人に興味がないのだろう。自分以外はどうでもいいと思ってしまっているから――、お土産も買ってこないし、母親が髪を切ったのにも気づかないのだ。

 

 

ただでさえ対人コミュニケーション能力に難があり、友人の少ないぼくなのだ――。もう少し、多少のサービス精神があってもいいのかもしれないと、ぼくは強く、強く想った。

 

 

だから行動を起こすことにした。決意をしてからの行動はまぁまぁ早いほう。決意するのが遅いだけだ。

 

 

その決意とは、つまりお土産を買ってくるという、そんな決意である。

ひとえにお土産といっても、様々な種類がある。

食べ物、キーホルダー、産地限定のキティちゃん、etc,etc......

そもそもどこにも旅行の予定も無いというのに、お土産だけを買っていくというのも、まぁまぁ今思えば異様な行為であるという気もするのだけれど、そのときのぼくにはそんな思考は生まれてこなかった。

 

ぼくは家の六畳一間のワンルームで、考えた。ひたすらに。何を買っていくべきか。

住んでいるのは、中央線のとある駅。

バイト先には家から行くわけで・・・・・・そういう意味では、家付近で買えるものを買うことこそが、本当の意味でのお土産だといえるのかもしれない。

 

 

 

結果――ぼくが買うことにしたもの。

それは、服である。

ぼくが現在住んでいる街、それは古着と古本、サブカルの街。

バイト先の店長は女性であるので、古本よりは古着だろうと考えて、そんな決意をしたわけなのだけれど・・・・・・←もう大分おかしくなっている

 

一日古着屋を回って、そして見つけた服が、これである。

 

f:id:karatatsutan:20170124000127j:plain

 

 

 鏡が汚いのは、悪しからず。

 

……これは、やばい。服の柄がやばいし、そもそもお土産で古着ってどうなんだろうと、そんなことを今更ながらに強く想った。

 

 

一時のテンションや思いつきだけで行動するとこうなるという悪い例。


自己啓発本などでは『考えるな、行動しろ!』などど嫌になるぐらい書かれているが、考えなしの行動は悲しい結果を生む。

反省しよう……。ただ、それだけの話。